あなたの知らない「こわい」がここにある 「こわい」はとても大事である。 「こわい」を感じ取る力は、生きていくのに必要な力だからだ。 「こわい」にもいろいろある。熱いの、冷たいの。大きいの、小さいの。青いの、赤いの。ざらざらしたの、つるんとしたの。甘いの、しょっぱいの―― あなたの知らない、あらゆる「こわい」がここにある。それぞれの作品のどこが「こわい」のか、それがなぜ「こわい」のか、じっくり考えてみてほしい。
〔恩田 陸〕